ふたたびブログ

いろんなものを書きます

気配は欲しいが曲は辛い

 少し前まで在宅勤務中のBGMをラジオにしていた、これはオフィス出勤時となるべく環境を同じにしようと思ってのことだったのだが、近頃は趣向を変えてAmazonミュージックで「仕事がはかどるプレイリスト」みたいなものを流している。

 というのもラジオというやつは面白いので(当たり前だが)、つい聴いてしまうと仕事が進まないからである。同僚の気配のあったオフィス勤務と違って自宅だとラジオに聴き入ってしまう、聴き入ることができてしまう。これはいけないなとあれこれ試みているわけである。

 プライム会員なので機能は限定的ながらもAmazonミュージックを利用できるわけだが、この「仕事中にBGMをかけ続けておく」の難点と言えば、1時間ほどで勝手に再生が止まることだ。どうやら調べた感じではそういう仕様らしい。仕事に集中しているときや燃えているときは曲が止まったことにすら気づかないケースもあるが、案外気になるもので、おやもう1時間経ったのかと席を立ち、私用のスマホの元まで行き、「再生を続けますか?」の問いかけにハイと答える。そこからまた1時間。うまくやればタイマーがわりにして適度な休憩を設けられそうだが、今のところは「勝手に止まるんじゃない!」とイラッとしてしまう要因になっている。うーん。こころがせまい。

 以前はさして気にならなかったのだが、何かを流しているのが当たり前になると、音のないのが不安を煽るようになった。単純に最近の私の精神状態なども作用していそうなので一概には言えないが……なにもBGMがないことで、いよいよ世界から切り離されてアパートの一室に一人きりの恐怖を煽られる。その点、ラジオは外界が確かに存在することを知り得るのが良い。「仕事がはかどる」系プレイリストはその点では劣るが、聴いているのは結局カフェチェーン店などで流れていそうなインストなので、翻ってカフェで周囲の人の気配を感じているときのような心地になる。いずれも求めているのは干渉し合わない範囲での世間の気配、みたいなものだ。

 1時間で止まるのがいやならふつうに購入済みのお気に入りの曲を流したっていい、のだけれど、それはそれで自分が選んでしまった曲という意識がある。あえて好きな曲を選ぶと今度は好きな曲であるがゆえに気を取られてしまう。お気に入りの楽曲を聴きながら仕事ができる人の気持ちがわからない。マルチタスクってそういうことだっただろうか。溜まったアニメを観ながらなどもってのほかである、仕事に集中できなくなるか、仕事に集中したことで作品をきちんと観られなかったことへの罪悪感で悲しくなるかの二択に決まっている。私が不器用なのだろうか。

 その点、別の部屋にうっすらと家族の気配を感じるのは良いのかもしれない。などと実家のベッドの中で考える。しかし地元に戻るなら、せめて実家の風呂はリフォームしておきたい。