ふたたびブログ

いろんなものを書きます

誰も私の前を歩いてくれない

 私は別段、どこかの名誉教授さんのフォロワーでもなんでもないのだが、参照先がないというのは何事も苦しいもので、「こういう風に生きている人もいるよ」というモデルケースで、私の欲しいものが私の近くにはちっともない。しかし今更、私は、今まで「一人で生きていきたい」と思い続けてきた過去の私を裏切れるのかと言えば。

 「人は一人じゃ生きていけないんだよ」って、もちろん理屈としては分かっていて、しかし感情と意地で守ってきた過去の私の心を私は容易に踏み躙ることができないんだということを、誰かと生きることを大いなる勇気で以て選択した友人たちに分かってもらうことの苦労は、想像だけで骨と気持ちが折れてしまう。分かってもらう必要は特にないと思う。そう思わないではやっていられない。

 一人で生きて一人で死んでゆくモデルケースを、この世に、それなら私が打ち立てたい。そう思う私と、一人では背中に湿布を貼るのが辛いなと思う私と、私がこれで誰かと婚姻関係を結んだ日にはまた誰かが私を見て「モデルケースがいなくなった」と思うかもしれずそれは嫌だな、と思う私とがいる。婚姻関係を誰かと結ぶ予定は特にない。一人でも珈琲は美味い。